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Adachi City

ケーススタディ 足立区

課題

ITコスト削減と職員の運用性の向上が課題に

ソリューション

Nutanix NX-3000シリーズ・アプライアンス(4台)。
足立区区民事務所PC約1200台をゼロ・クライアント
で仮想デスクトップ環境を構築

導入メリット

  • 平成24年度導入の学校ICT基盤(ブレード・サーバー) のアーキテクチャでは、5000万円以上かかるVDI構築 費用が、Nutanixでは不要に
  • 標準化と内部業務基盤、内部業務基盤および基幹業務 基盤をクラウド基盤に移行したことで、TCOを5年間 で42億円から32億円に削減
  • シンプルなシステム管理センター構成によるセキュリティ の一元管理と運用管理負荷を軽減

Nutanixの仮想デスクトップ(VDI)ソリューションで、大幅なTCOの削減 と高可用性を実現

企業概要

東京都北東部に位置し、約67万人が生活する足立区。面積は53.20平方kmで、これは23区で3番目の広さとなります。隅田川や荒川など5本の河川が平野部をゆったりと流れ、古くから風光明媚な地域として知られていました。江戸時代は、都市部の人口を支える農産物を提供し、明治後は工場が立ち並び、日本の近代国家への成長を支援。現在は、子育てや教育の充実に努めています。

公園の合計面積は23区内トップで、図書館の数は第3位、大学の数は5校。食育も有名で、「日本一おいしい給食」を目標に掲げ、給食レシピのアレンジ本が出版されているほどです。日本初のコミュニティ・スクールも足立区で誕生し話題となりました。

そして今、足立区のプラーベート・クラウド(学校ICT基盤、内部業務基盤、基幹業務基盤)の実現と設計 (アーキテクチャ) は、先進的な地方自治体で取り入れられ、全国自治体から注目されています。

導入の背景

文教関係は保守的といわれるなか、一方では、積極的に子ども達に最新の学校ICTを導入する傾向があります。現在、学校ICTの分野では、積極的に、無線LAN、タブレットPC授業および商用クラウドを取り入れています。足立区(東京都特別区)は、「2008年から米国の動きを参考に、基盤システムのクラウド化を検討してきました。最近は、総務省による自治体クラウドの提唱もあって、学校ICTと内部情報系および基幹業務系で、コストの高止まりもあり、コスト削減と調達の標準化に本格的に着手しました」と、東京都足立区CIO補佐監の浦山清治氏は話します。2008年ごろは、クラウド元年と言われたころで、まだ、多くの人々にとっては、それこそ雲をつかむような話でした。

ここにおいて打ち出した計画が足立区の「電子自治体推進計画2009」です。学校ICT基盤における教職員のデスクトップ作業、校務支援システムおよびPC教室など区立小中学校を対象にした学校ICTの再構築、住民情報系としては、戸籍、住民記録、税、衛生、福祉、保険など住民向けの行政サービスを司る「基幹業務基盤」、住民サービスを支える職員の財務会計管理システム、人事・給与管理システム、勤怠管理システム、職員ポータルを含むグループウェアなど、職員が毎日業務で利用する「内部業務基盤」の3つで構成。足立区の全システムを刷新し、「品質・コスト・納期」と「みえる化、統合化・標準化」を同時に実現する大胆な計画でした

「それまでは、大手ベンダー(ITゼネコン)に、ほとんどを依存し、丸投げ状態になっており、構築費用のコスト高の要因となっていました。5年ごとに強制的にめぐってくるベンダーに対するシステム更新を抜本的に見直し、本計画をきっかけに、分離調達(ハードウェアとソフトウェア(ライセンスを含む) および 設計(グランド・デザインと基本設計)と施工(実装・構築))を実施しながらコストを削減し最新のクラウド基盤を創り上げました。」と浦山氏は言います

導入の経緯

基盤システムは「学校ICT基盤」から着手しました。足立区には小中学校が108校(2014年度現在では107校)あり、PC教室と教職員に8,000台のPCが配布されていました。「Windows XPのサポート切れもアナウンスされるなか、リプレースが求められていました。しかし、8,000台を入れ替えるとなると、とんでもない経費(8億円/1台10万円予算計算)となります。出入りのベンダーに見積もったところ構築費用とキッティング費用で、32億円と提示されました。」(浦山氏)。

コストを抑えることはもちろんのこと、開発期間の短縮もあり、導入したのが仮想デスクトップ基盤(VDI)です。教職員のPCは、すべて仮想デスクトップにして、XPパソコンをシンPCにすることで、仕様的に十分に使え、PCの延命も可能となり、実際には、3,800台のPCを再活用しています。仮想デスクトップには、Citrix XenDesktop 6(2012年当時)を採用。2012年1月よりハードウェアやソフトウェアの調達を開始し、自ら基本設計書と公開鍵暗号基盤(PKI)の基本設計書を執筆し、庁内の説明のためのコンセプト設計書も書き上げ、同年4月より詳細設計、8月の夏休み期間中に実装と構築を行い、8月後半には、順次各校にPCのキッティングを行い、9月には、仮想デスクトップが教職員で利用できるように推進していきました。

次に着手したのが「内部業務基盤」です。「学校ICT基盤」のサービス開始を見て、同時並行的に実装国地区を進め、翌2013年には、業務アプリケーションの実装を開始し、全ての内部業務アプリケーションの移行を終えました。

2014年からは、「基幹業務基盤」の設計と構築を実施。区の行政サービスとして、区民事務所17カ所、出先機関30カ所および内局を含め業務端末数が1,200台の仮想デスクトップを実施し、かつ計画停電にも対応できるようにPoEスイッチとゼロ・クライアント機を配置し、ブレード・サーバーによるVDI基盤は取りやめ、Nutanix社のアプライアンス機でVDIを実装、70万人の住民サービスを支える大規模なプライベート・クラウドの構築に成功しました。

自治体におけるVDI導入の理想的な成功事例となりました。 Nutanixは、仮想デスクトップ・ソリューションの最適な VDIアプライアンスだと思います。
足立区, 最高情報統括責任者(CIO)補佐監 浦山清治 氏

Nutanixの選択理由

浦山氏が強く興味を抱いたのは、2014年5月(情報は2013年から販売代理店経由で入手)の米国アナハイムでのセミナー参加でした。自ら渡米し、候補となるベンダー、展示会やセミナーに参加し、情報の収集と提供会社幹部との会談を実施。実際に技師としての自分の目で確認し、絞り込んでいったVDIソリューションに、コスト削減が可能なVDI基盤として利用できる、Nutanix社のアプライアンス機がありました。

帰国後、Nutanix社の販売代理店である日商エレクトロニクス株式会社の豊洲の検証センターに評価機があることを知り、自治体が要求する仕様と、VDIとして5年以上の使用に耐えられるかを検証。その結果、4台のNX-3460で1,200台の業務端末を仮想デスクトップで業務アプリケーションができることがわかり、本製品の採用を決定しました。

この信頼性を確認できたことが採用した第一の理由です。製品の信頼性はもちろん、製品を提供する企業の経営方針も渡米して確認することができています。第二の理由は、短期間でVDI基盤の構築ができること。「Nutanixは、構築といってもCitrix XenDesktopの実装設計と本機の設置と接続するだけで済みます。これは構築コストの大幅な削減にもなります。」
(浦山氏)。第三は、シンプルなラッキング構成により、クラウド・システムのDaaS (Desktop as a Service) の可用性を向上できること。さらには、システム管理センターの一元的な管理は、業務運用の負荷軽減にもなります。

2013年度には、Nutanixで予算化、2014年10月から構築に入り、現在、衛生システム、福祉システムなどを移行中です。この計画では、区の情報システムで使用していた約400台を超える物理サーバーを、プライベート・クラウド化し、現用の業務アプリケーションを移行してきました。2015年4月からは、第二段の業務アプリケーションの移行を進め、順次サービスを開始していきます。

2015年以降は、区のほとんどの業務アプリケーションが、プラーベート・クラウド(開発コード: HaaT-Prime™)で稼働して行きます。

導入メリット

新たな「クラウド基盤」の特長に、マルチテナントによる業務主管課の業務アプリケーションの自動化と、クラウド・セキュリティ、いわゆるダーク・クラウドの強化があります。業務の運用性を高めるため、区民事務所の業務端末機を、すべてゼロ・クライアントにリプレース。画面転送のディスプレイと入出力のキーボード、マウス、そしてネットワーク接続機能のみを備えた端末で、OSもアプリケーションもデータもすべてがサーバーから提供されます。

さらに、Power over Ethernet(PoE)により、ネットワークを通じて電力を供給。「これは3.11東日本大震災からの教訓です。本庁舎のサーバーが生きていても端末側が、計画停電(2011年、当時)時のように電源が供給されなければサービスを提供できません。データもプラーベート・クラウド上の災害復旧用のDRストレージに置いた方が、安心して使え、データ復旧を軽減できます。このように、VDI基盤により、業務運用とセキュリティの両面を一度で強化し、それを実現しました。ミッション・クリティカルな基幹業務だからこそ、これが重要となるのです。」と、浦山氏は訴えます。

4台のNutanix NX-3460は、構造設計上ノードが冗長構成にしてあるので、アプライアンスの信頼性は高く、絶対に止まらない基盤システムを構築。さらに、残っているPCをシンPCとして順次、ゼロ・クライアントと併用しながら全ての業務の移行を2015年度中には完了する計画です。

VDI基盤に移行したことで、大幅なTCO削減を実現。「いままでの一連の計画の実施に伴う作業は、業務アプリケーション開発ベンダーに発注。クラウド基盤は、自前で基本設計と構築を分離発注し、5年前は、42億円だった情報システム課のIT予算を、2014年度には、32億円にまで圧縮できました。」と浦山氏は言います。コスト削減は元より、足立区のIT系の業務システムは、行政機関としては、東京23区、いや全国自治体のトップレベルのプラーベート・クラウド基盤の品質に達したと、区を視察する自治体の人達は、話しています。

「Nutanixの仮想デスクトップ(VDI)アプライアンスで、大幅なTCOの削減と、高いセキュリティおよび運用の自動化を実現できました。導入や運用管理が飛躍的に容易になり、インフラの拡張も簡単にアプライアンスを追加するだけです。足立区が構築したプライベート・クラウド基盤でのNutanix社のアプライアンス機の採用は、全国自治体において仮想デスクトップ(VDI)の拡大の大きな起爆剤となります。この成功事例を全国の自治体の同志の皆様にも拡大していきたいと想っています。」と、浦山氏は、最後に呼びかけました。